先日のウォールストリートジャーナルに、「投資銀行業は体に悪い?」という記事が出ていました。週に100時間を超える激務が必要とされる仕事で、4年も続けると体がボロボロになり、不眠症や依存症になるというものです。個人でのトレーダー業も自分を管理する術を身につけないと、似た経験をしかねません。

ウォール・ストリート投資銀行の業務自体は企業合併・統合の助言業務、債券発行の引受等に関するもので、必ずしもトレーダーと一致するわけではありません。それでも市場が24時間動いているインターバンク市場では、トレードを行う時間を自分のルールで決めておかないと、神経をすり減らすだけでなく収益も悪化し、そのストレスで健康も害することになりかねません。

ウォールストリートジャーナルが取材した投資銀行の部門統括者コメントの一つは、「この仕事は終わらない悪夢だ。毎朝起きる度にまず、”前の日が悪い夢であってくれたら。。。”と思う。」 というものでした。

「長時間の業務 → 判断力の低下 → 悪決断 → 収益悪化 → ストレス → 取り返そうと業務の長期化 → 判断力の低下。。。」この無限ループが続くわけです。さらに雇用主の投資銀行はサービスの一環で送迎サービスや社内での夜食提供もあり、自分の生活と業務の線が無くなりストレスの発散もできず、結果的に4年もすればストレスと不規則な生活で健康はボロボロになってしまいます。

人間が集中力を継続できるのは、一日に3時間程度ですこの時間を超えてトレードを続けても、まずまともな意思決定はできません。トレードで結果を出すには、集中力と判断力が必要ですから、長時間トレードは健康に悪いだけでなく収益にも影響を与えます。何より悪いことは、判断力が鈍ると、「判断力が低下していること自体」を判断できなくなります。

私がトレード日誌をつけ始めたとき、まず最初に気づいたのが、この「長時間トレードの弊害」でした。収益の悪い週に限って無駄なトレードの数ばかり多く、その時のチャート形状を見なおしても、何故こんなタイミングで入ったのか?理解出来ないものも多々ありました。

収益が悪くなる要因は幾つもありますが、一つの大きな要因は「オーバートレード(やりすぎ)」です。さらに収益が悪くなるだけではなく、これが生活の一部になると、ウォールストリートジャーナル記事の投資銀行バンカーと同じように健康を害することになりかねません。

これを防ぐ一つの手段は、「タイマーを使う」というものです。時間を180分にセットしてトレードを始め、これが鳴ったらトレードを終了してしまうのです。これ以外にも注意が必要な時間帯にはアラームがなるようにしておきます。例えば金曜のロンドン11時頃や大型指標発表の一時間前等です。

インターバンク市場の取引で継続的な収益を上げ続けるには、自分のルールを決め、これを例外無しで守る強い意志が必要です。このルールの一つに集中力の継続する時間内のみトレードをすることを含んでおくことで、収益改善だけではなく、長期的な健康を維持することも可能になります。

 


TORU_COCOSTA
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40代からの自由な時間と収益を作るトレード教育を行っています。ビットコイン / ゴールド / 外国為替 の取引方法が学べる「ココスタ」運営(受講生4,800名)。現役トレーダー / 米CMT検定1級保有 / ビットコイン研究所ライター / 株式会社ファム代表取締役。受講に関するご質問など、気軽にお問い合わせください。

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