エリオット波動論で現在のドル円相場を分析すると、どのような画が見えてくるのでしょうか?エリオット波動自体は古典の部類に入る方法論にはなりますが、欧米市場参加者の注目も高い方法でもあり、取り上げてみました。

エリオット波動論とは

エリオット波動論は、以下のようなイラストで知られています。1-2-3-4-5と進んで一相場が終わり、ABCと修正を入れるというものです。

エリオット波動イラスト
エリオット波動イラスト(Investopediaより)

このエリオット波動論には賛否両論いろいろとあります。いままでココスタで取り上げてこなかった理由は、エリオット氏自らが述べているように、この波動論は市場で起こっている現象を説明するためのものであり、将来を知るためのものではないということが一番大きいです。

一方でテクニカル・アナリストの必須書籍には必ずエリオット波動が出てきます。つまり市場参加者から注目をされている手法ではあるということですね。

 

第5波+ウェッジ=エリオット【最終対角線】現象

エリオット波動論の中で見た目にも分かりやすく理解しやすい法則の一つに、Ending Diagonal という現象があります。日本語だと「最終対角線」とでもなるでしょうか。最終の第5波がウェッジを形成すると反落の可能性が強くなるというものになります。

そしてその5波内の小さな波を見て、4番目の波が横向きに移動する相場となった場合、第5波がウェッジ上端を突き破る「スローオーバー」が起こると言及されています。

エリオット波動の最終対角線と4波

現状のドル円相場を週足で見ると、最終第5波の中でスローオーバー現象が起こったことが見て取れます。確かに4波が横を向いていますね。

欧米の相場参加者目線を知っておくという意味では価値のある情報かな?と思いシェアをさせていただきました。

それでは今週も、Happy Trading!


TORU_COCOSTA
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40代からの自由な時間と収益を作るトレード教育を行っています。ビットコイン / ゴールド / 外国為替 の取引方法が学べる「ココスタ」運営(受講生4,800名)。現役トレーダー / 米CMT検定1級保有 / ビットコイン研究所ライター / 株式会社ファム代表取締役。受講に関するご質問など、気軽にお問い合わせください。

    4 replies to "エリオット波動論で動くドル円相場"

    • いつも勉強に成ります! 少し似たオージー円が週足で結構下落しそうと思いとりあえず90円付近まで狙っておりました。 エリオットは中身を知らなかったので良かったです♪ 

      • Toru Sasaki

        ありがとうございます。エリオットは殆どのトレーダーが学ぶ「原則」みたいなものなので、機会を見て取り上げていきたいと思います。また他に見たいテーマなどあれば、教えて下さいね。

    • ma-yama

      エリオット波動はパターンが複数あり、先行指標でないにもかかわらず現状把握するにしても難しいと思うのですが、エリオット波動分析で定評のある井出慶之さんの見解を引き合いに出し、少し質問してみたいと思います。
      井出慶之さんの見立てでは月足レベルで、安値75円台から高値121.8レベルまでを5派動の3終了と見るのが有力だということから察すると、現状5派動の4進行中であると考えると、今回公開して頂いた動画に共通する局面であるのではないかと思いました。
      そうであるならスローオーバーが起こり得る可能性があるのかなと思いました。
      大きい波で第5派中という見方からか、井出さんは上向きを想定しているようですが、高野由美子さんは年末の予想ながら2月に大暴落を予想しています。
      高野由美子さんというと、元・外為ディーラーで東京外為市場の女性ドル円スポットディーラーの経歴を持ち、分析も独自の手書きチャートを駆使し、そのスペシャリストとしてこれまで自分のパターンにはまった時は見誤ったことが無いと言うほどの人物です。
      現在の予想はわかり兼ねますが人それぞれ意見も分かれるところだと思います。
      このサイトの過去動画を辿ってみたら、今と類似するにおいがしたので佐々木さんにも分析的な見立てをお聞きしたいと思いました。
      お時間がありましたらご意見をお聞かせ願えればと思います。
      いつもありがとうございます!

      • SasakiToru

        ma-yamaさん、

        他の方のお名前が出ているので、あまり奇抜なことは言いづらいのですが、、、

        記事の中に書いているように、エリオット氏自身は、この波動論をマーケットの動きを分析するために作ったもので、将来を予測するためのものではないと言っています。
        また波動のサイズが複数あり、後から見て「何々波」とは言えるのですが、その最中にいると判断の基準がありません。

        一方で、今回の記事のようなドル円チャートは明らかに古典的なエリオットのパターンだったので掲載をしてみた次第です。

        現在のドル円月足チャートを見る限り、簡単に分析するならフィボナッチの戻しが120.116にいて、一方で前回の同レベルHighが至った経緯のローソク足を左右反転して貼り付けると、下のような画像になります。
        https://www.tradingview.com/x/BEbb0rHX/

        一方で、エリオットで予測をしている人もいて、以下の方の分析などはそれに近いようです。
        https://www.tradingview.com/v/nbGz4ff7/

        チャートスパンは2日なので少し細かいですが、こうした見方もあるのかもしれませんね。
        ご参考になれば幸いです。

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