「英ポンドは指標が公開される前に情報を入手したトレーダーが先回りしている可能性がある」とウォールストリート・ジャーナルに興味深い記事が出ていました(リンク)。本当ならけしからんことですが、真実はいかに?

 

記事抜粋:

スウェーデン・クローナと英ポンドとを比較すると、経済指標が公開される前にポンドのほうが早く動いていることが統計的に確認できた(WSJより4月26日記事から)

記事によれば、クローナと比較して英ポンドは、指標が出る前に内容を知っているトレーダーがポジションを傾けているとしか思えない統計が確認されたそうです。

さらに、この記事が怒りを誘ったのか、オフィシャルデータの事前リーク有無を確認するよう野党が求める事態になっているとか(こちらの記事)。

ちなみにコメントが結構面白くて、明日4月27日は英国GDP発表だけれど、知っている奴らは先にロングしておいて、もう明日は「材料で売る」になるさ、という書き込みがありました。

ただ、この比較って難しいですよね。英国は規模は小さいけれど、外為では中心プレイヤー。だからクローナに比べて参加者の種類も数も比べ物にならないほど多いわけです。

さらに今のポンドはパンパンに投機筋のネットポジションが腫れ上がっていて、さらに細かく数字を見ていくと、明らかにショート巻き戻しが入るであろう場所に来ています。

以下のスクリーンショットは、トレーディング・カレッジ(こちら)で4月22日にネットポジションの捉え方で取り上げたグラフです。

ポンドの積み上がったショートと歪んだバランス

もう投機筋のインバランスは最高潮。どんなニュースが出たとしても、値を切り下げていくイメージは湧きづらいというのが正直なところです。

指標のデータを先に入手できたとしても、ではそれが「どこ」で落とされる爆弾なのか?

その効果を理解していないと、ミイラ取りがミイラになってしまいますね。勝負の早いポンドならなおさらです。

 

まとめ

英国には私も1年ほどいましたが、日本とは違い、みんな普通に階層社会の話をしています。

「私は中間層の出身だから」とか、「彼は労働階級なの」とか、そういう具合です。

ブレグジットに至ったのは、ルールを作る側が全部いい所を持っていって、最後に勘定を払うのは税金を払う国民だという怒りの体温が背景だったことは、多くの人が知るところだと思います。

 

参考記事:

銀行は詐欺だ!英国政治家が吠えた

 

結局のところ、指標は止まった何かを動かす一突きでしかありません。

そこから先にどう転がるか?右に来たらこうする、左に行ったらココに逃げる。

事前に計画を立てておいて、アクションは選ぶだけという絞り込みをしている人が残っていくのは、トレードもビジネスも同じなのかもしれません。

指標のフロントランニングにそんなことを感じた午後でした。


佐々木徹 (ささきとおる)
佐々木徹 (ささきとおる)

株式会社ファム代表取締役。愛媛県生まれ。英国ノッティンガム大学にて心理学を専攻、香川大学経済学部卒業。15年間の日米商社勤務を経て、2014年に独立・起業。同年には米国オンライン教育No.1のUdemyにて日本人初のトップ13講師入り。2,500名を超す受講生にトレードを指導する「ココスタ」運営責任者であり、トレーダー、起業家、マーケティング・ストラテジスト。講義一覧はこちら。