ハードフォークは美味しくない|ビットコインの危機

今、ビットコイン界隈で最も熱く議論されているハードフォーク・異なるビットコインが並存することがもたらすリスクとは、どのようなものでしょうか?Vinny Lingham氏の良記事を発見しましたので、一部を翻訳し公開しました。

原文|Fork in the Road. (Vinny Lingham氏)
https://vinnylingham.com/a-fork-in-the-road-70288fd3c046#.e4nbyioz0


【以下翻訳】

ビットコインのハードフォーク(異なる種類のビットコインが発生し並存すること)が良いという声が多いため、とても驚いている。

「避けることができない」とか、「悪いことではない」という論調だ。

最近のスケーリング議論に飽き飽きしているという話もわかるが、それは正しくない。

この記事では、技術的なことよりも、マーケットへの影響・・・ビットコイン・コア(以下BTC)とビットコイン・アンリミテッド(BTU)に分岐した場合を考えてみたい。

取引所から出た本日の共同声明で、ハードフォークの場合にはBTUもアルトコイン(ALT COIN / ビットコインに準ずる仮想通貨の意味)として、取引所に上場させることが明らかになった。

参考:Bitcoin Unlimitedによるハードフォーク問題に対するビットコイン取引所からの共同声明文(和訳)

これは恐ろしい。なぜなら業界人なら「アルトコイン」が何かわかるけれど、普通に外を歩いている人にとっては意味不明なものだからだ。

これこそ、記事を書こうと思ったきっかけである。

(中略)

BTUが引き起こした大きな故障にもかかわらず、多くのノードがBTUのシグナルを発信し始めている。

多くの人は、これが現実になると思っていないが、この継続的な脅威を無視することもできない。

BTUノード数(CoinDanceより)

(中略)

 

最大資産であるブランド認知を毀損するリスク

ビットコインが暗号通貨市場の中で、最も強いブランドであることは議論の余地もないだろう。

おそらく1年間で、最大5000億円を超える価値のメディア露出がある。

ハードフォークは、ビットコインに2つのブランドを出現させることになる。

もちろん、そのブランド力はハードフォークをしようとしているBTUにも引き継がれてしまう。

こうなると、とてつもないブランド価値の毀損が起こってしまう。とんでもないアイディアだ。

ビットコインの安全性は、マイナーが持ち寄るコンピューターのハッシュパワーで成り立っている。

これはビットコインの価格が上がるほど強くなる。

価格はメディアが価値を露出する度合いで需要が強くなり、その価値とは「ビットコインこそ長期の価値保存を可能にした初めての暗号通貨である」というものだ。

もし、この認知をぐちゃぐちゃにしたら、結果が好ましくないのは自明の理だろう。

2014年にメディアが「ビットコインは死んだ」とゴックス事件で宣言をしたのち、価格が元に戻るで長い期間を要した。

 

ビットコイン・アンリミテッドが単にアルトコインになり大きな支持を得ないのなら、何が問題なのか?

もしマイナーの35 – 50%が離れてBTUをアルトコインとして立ち上げるなら、世の中に2種類のビットコインが並存することになる。

ビットコイン(BTC)とビットコイン・アンリミテッド(BTU)である。

もちろんBTUはビットコインではないと言うこともできるだろうが、それでも街をゆく一般の人からすればビットコインに変わりない。

もし誰かがビットコインを買おうとして、間違ったビットコイン(BTU)を買ったらどうなるか?

それを使って買い物した人が訳が分からなくなりクレームでも入れれば、ビットコインが支払い手段から除去されることは自明の理だ。

暗号通貨に詳しい人ならその違いを理解できるだろうが、フォーク後に一般の人に対して、BTCとBTUの違いを押し付けて、スムーズに進む訳がない。

大切なポイントを書いておきたい。

Roger Ver氏(BTU側に立ちビットコインジーザスと呼ばれている)は、Bitcoin.com及び、その周りの強いドメイン名を保有している。

また30万前後のビットコインを保有していると業界では噂をされている。

ビットコインがフォークをしたら、BTCを持っている全ての人は、保有しているのと同じだけのBTUを付与されることになる。

つまりRoger氏は30万BTCと30万BTUという60万コインを持つことになる。

ビットコインが分岐したら、「Bitcoin.com」を使い、彼はBTUこそ正規のものだと認知づけることができる。

(中略)

もしフォークが起こって、Roger氏がBTUの値段を上げたければ、保有する全てのBTC(ビットコイン)をマーケットに売り浴びせるだろう。

(注:BTUとBTCにフォークした後のBTCという意味)

そんな30万ものコインが短時間で市場に流し込まれたら、BTC価格は暴落をすることになる。

さらに新規の投資家は、このハードフォーク論争でサイドラインに引いている状態で、新規の買いは期待できない。

これこそ、Etherがフォークした後に起こったこと・・・設立者が90%を売却して価格を下落させた。

BTCを売り浴びせるのはRoger氏だけではない。他のBTUサポーターも同じことをして、BTCの価格を下げさそうとするだろう。

(注:BTC + BTU = 今のBTC価値と同じなら、片方を突き落とすことで反対側のコインに価値が移動するため)

(中略)

想像してもらいたい。誰かがビットコインを買いたいと言った時、次に出てくる質問は、「で、どっちのビットコイン?」というものだ。

そして次は、「もしそのフォークしたビットコインが再フォークしたらどうなるのか?という疑問が出てくる。

(中略)

ビットコインが死んだとメディアに言われてから、価格は2年間横ばいだった。

こんなことをまたやるというのかい?

正直に言おう。ハードフォークでビットコインが死ぬことはない。これはビットコインの複製であり、二つのビットコインが現れることになる。

だが、どっちが本当のビットコインなのか?

絶対に忘れてはならないこと。それはビットコインにはたくさんの敵がいるということだ。

ハードフォークは、その敵に議論のスキを与え、その影響でマーケットは混乱する。この影響は無視できない。

(中略)

今私たちがすべきことは、深呼吸をして、感情や立場の違いを一旦は脇に置き、ハードフォークはビットコインにとって最善の選択ではないことを認め、どうかSegwitを取り入れようではありませんか。

なお、この記事はBTUやCoreを批判も推薦もするものではありません。

以上、翻訳終わり(意訳あり)


 

例えが適正かは分かりませんが、日本円がフォークしたらどうでしょう?

JPY1.0とJPY2.0です。

買い物に行っても店から、「うちは2.0は受け取ってないんですよ」とか言われるわけですね。

さらに日本円を買おうとしている海外の投資家からすれば、JPY1.0 と 2.0?じゃあ2.0がフォークしたら、JPY2.2とか出てくるのか?ということになります。

日本国内の株式を買おうとしても、1.0と2.0でクオートが変わってしまう。

日経平均1.0は19500JPY1.0であり、さらに180000JPY2.0とかなるわけです。

そうすれば、買うモチベーションは激減しますよね。

技術的な仕様は詳しい方に譲るとして、ビットコイン応援団としては、仲間割れをしている時間はないよという気持ちで一杯です。

世の中に注目されてはいても、まだ東証銘柄一つにも満たない規模でしかないビットコイン。

何事にも遅れがちな日本ですが、ビットコインに関しては法整備も他国に比して早く、コミュニティも強く、優秀な人物が集まっていて、世界の拠点になれる要素を持っています。

身内の騒動は脇に置いて、より大きなミッションに向けて良い妥結策が出てくること良いですね。

ハッピー・ビットコイン

 


追記:

この記事は英語圏に向けて発信をしているBitcoin Geekendにて公開した動画へのコメントで受けとった情報です。参考までに、そちらの動画リンクはこちら。

公開の動画(英語)|ビットコインはハードフォークで死ぬのか?
https://youtu.be/koP3bdEIxyQ

 

About The Author

佐々木徹 (ささきとおる)

株式会社ファム代表取締役。愛媛県生まれ。英国ノッティンガム大学にて心理学を専攻、香川大学経済学部卒業。15年間の日米商社勤務を経て、2014年に独立・起業。同年には米国オンライン教育No.1のUdemyにて日本人初のトップ13講師入り。2,500名を超す受講生にトレードを指導する「ココスタ」運営責任者であり、トレーダー、起業家、マーケティング・ストラテジスト。講義一覧はこちら。