1月15日スイスフラン暴騰の影響を受けAlpariが破綻した後、MT4を扱うブローカーはどこを選ぶべきかと質問をたくさん頂きました。そこで選ぶための基本的な考え方を書いておきたいと思います。

MT4を扱うFX会社の選び方

■日足ローソクの数は5本か6本か?

MT4を扱うブローカーを選ぶ上で大切になるのは、日足チャートが1週間で表示するローソクの本数です。実は選択するブローカーによって、1週間で日足が5本になったり6本になったりするのです。

現在の外為市場の主要トレーダーや機関投資家は、1週間の日足本数が5本のチャートを見て意思決定をしています。そのため6本足だと、相場を動かすプレーヤーと同じチャートを見ることができないという問題が起こってしまうのです。

MT4はクライアント側でチャートに表示される時間の設定を調整することができず、FX会社(ブローカー)が採用した時間設定でチャートが表示されてします。ですからブローカーの時間設定次第で日曜日数時間の小さなセッションが一日分の日足として表示されてしまうのです。

例えば以下のMT4チャートは1週間の日足本数が6本になっています。

▼ 1週間で6本の日足を表示するMT4ブローカー

MT4日曜ローソク
ユーロドル・日足チャート

オレンジの枠で囲ったものが日曜ローソクですがサイズが他とくらべて小さいことが分かります。理由は日曜日の2時間~3時間分の値動きが1日分として表示をされるため、24時間の値動きを表示する他ローソクと比べると小さくなってしまうのです。

これを避けるためには、MT4の時間設定がEET(東ヨーロッパ標準時刻:GMT+2)の会社を選択する必要があります。

▼ 参考記事:MT4時間設定はGMTからEETへ
https://cocosta.jp/5241

日本国内を調べる限りでは、以下の会社が5本足に対応しているようです。

YJFX社はサイバーエージェントを引き継いだ際にはMT4を提供し日足5本表示だったようですが、MT4のサービスを終了したようです。

※ いずれも2014年1月19日現在の情報

 

■日本拠点か海外拠点か?

海外拠点のブローカーはスプレッドや選択肢が広く魅力的に映る会社もたくさんありますが、口座資金を入金してトレードをするのであれば、日本拠点の会社をお勧めします。

私自身の海外口座使用経験は米国しかありませんが、同国では米国非居住者が口座を開設することができません。開設の際に社会保障番号(SSN)で身元の確認が取られます。

仮に一定期間居住していてSSNの番号を持っていたとしても、口座を有効にしておくと税金の処理で面倒なことになります。

同国は税金が「属人主義」なので、トレードで一定以上の収益が上がるとIRS(国税局)へ申請する必要があり、収益が上がった口座所有者は世界中のどこで居住をしていようと米国で所得を得ていると判断され、日本で稼いだ給与や事業所得も米国に税金として申請が必要になってしまいます。

ただ海外ブローカーを英語でもよいから調べたいという方は以下のウェブサイトが役に立つかもしれません。

▼ 100 FOREX BROKERS
https://www.100forexbrokers.com/fx/broker_search.php

例えば冒頭で説明したローソク足の本数が5本のブローカーを探すなら、画面右上の「Trading tools」下にある選択肢から以下を選びます。

  • Trading platform: MT4
  • Platform time zone: GMT+2(夏時間では+3)

選択完了後に、画面右下の「Search」をクリックすると対象業者が表示されます。

 

■ECN型かマーケットメーカー型か?

ブローカーの業態は、おおまかに以下の2つに分けることができます。

  • ECN型
  • マーケットメーカー型

※ ECNとは “Electronic Communication Network” 、「電子的な取引をやりとりするネットワーク」のこと

ECN型はトレーダーからの注文を参加者ネットワークにつなぎ手数料収入を得る一方、マーケットメーカー型はブローカーが胴元になってオーダーを引き受ける方式です。ブローカーによってはECNとマーケットメーカーの両方に対応していて、一定以上の口座残高の利用者のみECNの申し込みが可能というような分け方をしているところもあります(アルパリがそうでした)。

ここで知っておくべきは、ブローカーがどうやって収益を得ているか?という点です。

ECNブローカーは発注毎に手数料を徴収する「手数料収入モデル」であるため、顧客が勝とうが負けようが彼らの利益には関係がありません。一方マーケットメーカーは「顧客の損失=ブローカーの利益」となります。

そう聞くとECNの方が良いように聞こえますが、マーケットメーカー型の方が証拠金の残高設定が小さかったり口座開設にボーナスがあったりするメリットもあります。ですから一概にどちらが良いということはなく、両者を比較して各トレーダーが判断すれば良いと思います。

 

■FXCM社が今のところは条件を満たしている

仮に先述した「MT4日足ローソク5本」、「ECN」、「日本拠点」を満たす会社を見つけようとすると、今のところFXCMジャパンが該当します。

ただ同社も先日のスイスフラン暴騰でダメージを受け、リューカディアから350億円x10%の金利で緊急融資を受けており注視が必要なことには変わりありません。

※ あくまで2015年1月19日現在での状況です。

※ 当社はブローカーとのアフィリエイト等の関係は一切ありませんので、各社への質問は直接のご連絡をお願いします。

 

■MT4/MT5デモ口座を取得

手軽にデモ口座だけMT4もしくはMT5で使いたいという場合は、プログラムの開発元であるMetaQuote社のウェブサイトからダウンロードして使用を開始することができます。そちらの方法はZaiで詳しく説明されていますので、以下のリンクを参照ください。

▼ Zai:今すぐMT4をインストールしてみよう!
http://zai.diamond.jp/articles/-/125971

なお過去にMetaQuote社からMT4/MT5をダウンロードして使用し現在不具合が出ている方は、データのフィード元がAlpariになっている可能性がありますので、デモ口座を再度申請してAlpari以外を選択するか、再度のインストールを試みることで解決する可能性があります。

 

 

■チャートと注文執行を分離する

ここまで説明してきた目的は、MT4を適切に設定をできるブローカーを日本国内で選びトレード環境を整えるための考え方です。一方チャート分析と注文執行のソフトウェアを分けて使用すれば、ブローカーの選択自由度は格段に上がることになります。

例えば、、、

  • A社デモ口座で5本足MT4のチャートを利用
  • B社で実注文の執行を行う

というような流れです。

またチャートの分析は基本的なライン分析とインジケーター表示のみで十分という方は、MT4以外のトレードプラットホームを使用することで対処も可能です。特にTradingViewなどは無料で使える一方で強力な分析ツールを備えています。

▼ 参考記事:未来志向のチャートが凄い3つの点
https://www.cocosta.jp/2014/tradingview/

 

■まとめ:

今回のスイスフラン暴騰やAlpari破綻などは市場に大きなインパクトを与えた一方、正しいリスクの管理方法を各トレーダーが身に付けておくことの重要性を市場に発したようにも感じます。

全てのリスクを排除することはできません。それでもリスクの範囲を自分のコントロール下に置くことは可能です。

トレードだけでなく仕事も人生も同じで、いま目の前にある選択肢が持つリスクを受け入れる覚悟をした上で、リターンの側に転がるよう全力をつくすことこそ「最善」なのかもしれませんね。

 

 

【2015年2月5日追記】
受講生の方から、海外MT4業者に時間設定がEETか否かを問い合わせたところ、GMT+2としか説明がなく困っているというメールを頂きました。

EET=GMT+2時間で間違いないのですが、ブローカーによって夏時間が入る設定でないとも限りません。一番確実に確認する方法は、以下のとおりです。

  1. その業者が提供しているデモMT4口座を開設
  2. 日足でチャートを表示
  3. 夏時間が適用されている時期(5月や6月)のチャートを見る
  4. 1週間のローソクが5本ならOK

EET時間を選択する目的は、1週間あたり5本の日足チャートを使うことなので、上記での確認をお勧めします。


佐々木徹 (ささきとおる)
佐々木徹 (ささきとおる)

佐々木徹(ささきとおる)・・・トレード教育者。暗号通貨・コモディティ・為替まで取引方法が学べる「ココスタ」の運営責任者であり、トレーダー、起業家、マーケティング戦略家。4,000名超の受講生をもち、「時間と収益を自分で作り出す人を増やす」をライフワークとする。「ビットコイン・ブロックチェーンスクール」では投資部門担当。英語圏向けYouTubeチャンネル「BitcoinGeekend」では購読者が2,800名を超える。株式会社ファム代表取締役。