為替取引を始めて間もないころは、チャートさえ見ずに売買しても、ビギナーズラックで大きく勝って世界さえも買えそうな気になってしまうことがあります。また逆に、知らない間にロスカットされストレスが増えてしまうこともあります。そんな、今後のトレードライフを決める助走期間・・・取引を始めてから2ヶ月の方から受け取った3つの質問が新鮮でしたので、回答メールを公開してみました。


頂いたメッセージ:
為替取引を始めて約2ヶ月程になります。取引自体は勝ったり負けたりで収支でいうとマイナスです。そこで何点かご質問させて頂きたく思います。

質問①
取引において、エントリーとエグジットの時間足は同じものを使った方が良いでしょうか?昨日ドル円にて15分足のチャートでエントリーし、その後の経過を見ていますと、自分ではよくわからない所で反発しました。しかし、4時間足で見ると比較的強いレジスタンスラインで反発していました。

ご質問に回答させていただきますと、以下のようになります。

  • チャートの「向きを確認する」時間足は同一であることが望ましい
  • エントリーする「意思決定を行う」時間足は同一であることが望ましい
  • エントリーとエグジットをする「タイミングを取る」時間足は同一であることが望ましい

またエントリーするまでには3つのプロセスが必要です。

  • チャートの向きを確認する・・・上か下か?
  • サポート・レジスタンスとの位置関係から収益性が出る場所の有無を確認する・・・トレードする価値のあるチャートか?
  • エントリーのタイミングを確認する・・・どのタイミングでエントリーすると効率が良いか?

まずはエントリーするまでの行程を分解して、それぞれに適切な時間足を適用すると考えられることをお勧めします。

以下の記事で複数の時間足を確認する方法について言及をしていますので、ご参照ください。

→ 複数時間✕複数ペアを簡単に

 

質問②
取引分析において、テクニカル分析とファンダメンタル分析があると思うのですが、やはりどちらの分析も行い、取引する方が良いでしょうか?また、テクニカル分析、ファンダメンタル分析を行う際に重視するべきポイント等あれば、お教え頂けないでしょうか?

FXにおけるファンダメンタルズ分析とは、各国の経済情勢を測るさまざまな指標から、国力が上がるか下がるかを把握しようと試みるものです。

こう言えばカッコいいですが、結局のところはファンダメンタルも数字で判断する以外に具体的な方法を持ちません。

その数字が上に向かっているのか?下に向かっているのか?市場予測よりも良いのか悪いのか?という判断は数値で行う必要があるということですね。

テクニカルと日本でいうと、インジケーターの数値やチャート上のラインなど、後付けされた指標のように思われている部分がありますが、欧米での捉え方は異なります。

対象の値動きそのものをデータと統計で判断していくというもので、値動きを統計的に判断していく技術ということになります。

そういう意味で言えば、ファンダメンタルを数値で判断することは、実行レベルではテクニカル分析を使っているということですね。

分析で重視するポイントは、FX市場の最大プレーヤーである欧米の機関投資家が、どのチャートをどのように分析しているのを知り、自分も同じ目線で見ていくということに尽きます。

テクニカルとファンダメンタルの考え方については、以下のページで詳しく説明をしていますので、ご参照ください。

→ テクニカルがファンダメンタルの300倍も重要な理由

質問③
私が今まで取引を行い思う事があるのですが、まだ経験が少ないトレーダーは、短い時間で取引するのは危険ではないのかと思っています。しかし、経験が少ないからこそ取引回数を増やし今は経験を積んでいく方が良いでしょうか?

時間足が短くなればなるほど、純粋な分析以外のチェックすべき要素が増えてきてしまいます。例えば値動きが荒くなる特定の時間帯や経済指標などで、それらに意識を取られてしまうと、本当に大切な部分を抜かしてしまうことになります。

車の運転を始めるときには、まずハンドルやペダルの操作を覚え、車幅の感覚に慣れ、それらを意識せず操作できるようになって初めて、自動車の周りの状況を把握してスムーズな運転ができます。免許を取得してすぐに渋谷の交差点の周りを運転するのは、ちょっと怖いですよね(笑)。

それ以外にも短期になるほど取引コストが加速度的に上がり不利になります。そちらについては、以下の記事を参照ください。

→ スキャルピングが不利な理由を数字で説明

お薦めとしては、まず日足のチャートをプリントして、その右側を隠して自分で分析しながら進んでいくようなトレーニングから始められれば良いと思います。

これは私の自論ですが、トレーダー毎に得意な時間足や方法論は変わってきます。

唯一の正解はないのが相場ですので、講義(→こちら)ではできるだけ私の方法を押し付けるのではなく、なぜ値段がそう動くのかの背景を理解してもらい、自分自身で決めていける地力をつけてもらえるような方針で進めております。

以上ご不明な点に言及できているか分かりませんが、ご回答とさせて頂きます。


取引を初めて2ヶ月の方とは思えないほどの的確な質問に驚きました。回答を書いているうちに長文となり、他の方の参考にもなるのではないかと思い、ご本人に了承を頂き公開をさせていただいたものです。

それでは、ハッピー・トレーディング!!


佐々木徹 (ささきとおる)
佐々木徹 (ささきとおる)

株式会社ファム代表取締役。愛媛県生まれ。英国ノッティンガム大学にて心理学を専攻、香川大学経済学部卒業。15年間の日米商社勤務を経て、2014年に独立・起業。同年には米国オンライン教育No.1のUdemyにて日本人初のトップ13講師入り。2,500名を超す受講生にトレードを指導する「ココスタ」運営責任者であり、トレーダー、起業家、マーケティング・ストラテジスト。講義一覧はこちら。