値段だけ見て取引をしていると、小さなカゴの中に押し込められたような気分になることは、ないだろうか?

「次の値動きを予測するのに、値動きそのものを見てて良いのだろうか?」

言葉にできない抑圧感は、そんな不安から出てくるものかもしれない。

もちろん、次の値動きを予測するのに使える完璧な唯一のツールが無いことは、多くの人が知るところ。

それでも、有効かつパンチ力のある方法を一つ上げるとするなら、それは金利ではないだろうか。

外国為替、コモディティ、ビットコインに至るまで、金利の影響から逃れられるアセットは無い。

では、すべてのアセットで金利が同じような影響を与えるかと言えば、もちろんそうではない。

極端な比較事例としては、暗号通貨と外国為替の金利を比べてみると分かりやすい。

外国為替の市場では、マーケットは時間差を置いて金利に収束をしていくことが多い。

例えば下のチャートは、ドル円(オレンジ線)と米国金利(青線・7年)を比較したものだ。

ドル円と米国金利との比較(COCOSTA制作)

金利が下がれば、ドル円も下がっていることが明確に分かる。

例えば、赤線を引いた2018年12月11日、ドル円は高値に耐えきれなくなる状況であったことが明らかだ。

結果的に、その後のドル円は下落。1月3日には105円まで一気に下落することとなった。

フラッシュ・クラッシュとは言われているが、後ろにあった要素の一つは、この金利であることも明らかだろう。

一方のビットコインを見てみよう。

ビットコインの貸出金利と価格推移
(ビットコインで国境の無い富を築く完全ガイド実践編から抜粋)

青線がBTC価格(USD建て)、ヒストグラムがビットコインの貸出金利である。

先程の外為とは異なり、以下の動きが確認できる。

○ BTCの金利が上がるにしたがい、値が下降している
○ BTCの金利が下がるにしたがい、値が上昇している

外為市場のように、高金利がお金を引きつけるなら、BTC価格は金利上昇に合わせて上昇するのではないか?

ここに市場構造の違いがある。

外為市場で言う金利は、債権という巨大で流動性の大きな先物市場で取引される値段(と限月)から算出される。

市場が十分に大きいので、各国の 経済や 政策を「折り込みながら」推移をしていくことになるのだ。

これに対してビットコインの市場は極小である。

貸出金利も、私設取引所の中でビットコインを貸したい人と借りたい人とが板でマッチングされて決まる世界だ。

極めて小さな市場で貸し手が一定の数しかいないところに、借り手が殺到すればどうなるか?

瞬時に貸出金利は跳ね上がる。

外為市場では金利が資金流入を決めるのに対し、(今の)ビットコインでは資金流入が金利を形成しているのだ。

つまり、ビットコインの金利が高騰しているということは、借りたい人が殺到していることに他ならない。

そして借りた人たちの多くはビットコインを空売りし、下落から利益を上げられるという前提で行動をしている。

ところが、悲しいかな相場では大勢の側にいると勝てない。

相場は、他の多くの参加者が気づいていない真実を見つけ、そこにベットするゲームだ。

高騰するビットコイン金利が表すのは、大勢の側=売り手であるという事実だ。

金利高騰が落ち着く過程でビットコイン価格が上昇しているのは、大勢の売り手がショートポジションを放り投げ、買い戻しをしているからなのである。

同じ「金利」でも、市場構造が違えば全くことなる情報を提供する良い事例かもしれない。

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コインポストさんに掲載

この記事を書いてポストした20時間後、コインポストさんにて記事紹介を頂きました。


ドル円などの外国為替市場では、時間差を置いて金利の動きに収束するが、ビットコイン市場では逆相関しているという。
この要因について佐々木氏は、「市場構造」の違いを挙げ、まだまだ市場規模の小さいビットコインの金利高騰は、主に借り手による「空売り需要」によるものだと考察した。

コインポスト社

https://coinpost.jp/?p=65701

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佐々木徹 (ささきとおる)
佐々木徹 (ささきとおる)

佐々木 徹(ささき とおる)・・・トレード教育者。暗号通貨・コモディティ・為替まで取引方法が学べる「ココスタ」の運営責任者であり、トレーダー、起業家、マーケティング戦略家。4,000名程の受講生をもち、「時間と収益を自分で作り出す人を増やす」をライフワークとする。「ビットコイン・ブロックチェーンスクール」では投資部門担当。英語圏向けYouTubeチャンネル「Bitcoin Geekend」では購読者が2,700名を超える。株式会社ファム代表取締役。