ひたすらに上昇を続ける米国株。強気は継続するのか?それとも暴落の陰は足元に忍び寄っているのか?一つのヒントはイールドカーブが教えてくれるかもしれません。

イールドカーブとは?

最近になり、「逆イールド」「長短金利の逆転」などを聞くことが増えてきましたね。

ここでのイールドとは、ざっくり金利収入に相当するものだと考えてもらえれば良いです

一般的な「金利」は債券の価格と限月までの時間で決まります。

※ このあたりはグーグル先生で詳しいサイトもあるかと思いますので、ご興味のある方は調べてみてください。

金利には異なる年限のものがあります。

「10年物の金利」とは「10年債から計算される金利収益率」のことだと捉えてOKです。

結論を急ぎましょう。その年限ごとの金利収益率(イールド)を並べたものは、2019年4月26日の時点で下の形状をしています。

2019年4月26日のイールドカーブ・スナップショット

これを見る限り、「長短金利の逆転」と一言で片づけられるほど、単純ではないことも分かります。

では過去に似た形状を取っていた時期はあるのでしょうか?

自分が振り返って調べてみた限りでは、以下が近い形状であったように見受けられました。

2007年9月6日のイールドカーブ・スナップショット

では、それぞれの日付をSP500のチャート上で「どこ」にあたるのかを確認しておきましょう。

イールドカーブ形状が近い二つの時期

微妙なところですね。

SP500は、この形状を見せた2007年9月6日の4週間後に手前の高値をブレイク。5週目で頭を打たれ、6週目から下落を開始します。

価格でいえば、1578ドル → 671ドル まで、57%というジェットコースターのような下落を511日間の下落トレンドで叩きました。

もちろん株価はイールドカーブ形状のみで決まるわけではないですよね。

ただ、いまの形状を認識しておくことで、なぜ各国が金融緩和に向けて必死で舵を切っているかは理解ができます。

先日4月25日には、麻生太郎財務相とムニューシン財務長官の会談で、日本側の為替操作を禁止する「為替条項」についての協議が出ました。

自国の通貨をコントロールする権利を破棄せよという、日本には受け入れることのできない条項です。

この少し前に、2019年に予定している消費増税を取りやめる可能性について取りざたされるニュースも出ていました。

もし上記がつながっているのなら、「為替条項」と「消費税の増税ストップ」を天秤にかけた交渉が進んでいるのかもしれません。

いくら米国株式の景気が良くても、日経平均が落ちてしまえばSP500も割を食ってしまいますからね。

もちろん、これは単に自分の推論でしかありません。

ただイールドカーブの形状が、SP500を57%まで叩き落した形状と酷似をしている事実は、目の前に存在をしています。

だれも日経平均が1万円を再度割り込む状態など、見たくないわけです。

だからこそ、この警告サインを何としてでも乗り越えて経済を失速させないように必死の対策が行われているという捉え方も、百に一つくらいはあるかもしれません。

一番良いのは、今の好調な経済が続いて、株価も右肩上がりを継続することですね。

ハッピー・トレーディング!

【参考文献】

今回の記事は、@dfinvestmentさんのツイートを参考にさせて頂いています。

https://twitter.com/dfinvestment/status/1122247172391669761

1990年から2019年までのイールドカーブ推移の動画は、イメージが湧きやすいですね。

【より詳しく知りたい方は】

この記事で書いたイールドカーブに関しては、以下コースの今週末動画レクチャーで講義を行いました。

実戦トレーディングカレッジ

https://direct.cocosta.jp/p/procom

最新の市場を切り取りながら、普遍的な取引の技術を身に着けることができます。

ぜひ素晴らしいトレード力を身に着けてくださいね。


TORU_COCOSTA
TORU_COCOSTA

40代からの自由な時間と収益を作るトレード教育を行っています。ビットコイン / ゴールド / 外国為替 の取引方法が学べる「ココスタ」運営(受講生4,800名)。現役トレーダー / 米CMT検定1級保有 / ビットコイン研究所ライター / 株式会社ファム代表取締役。受講に関するご質問など、気軽にお問い合わせください。

Leave a Reply

Your email address will not be published.