FXとファンダメンタルズ【指標発表とチャート】
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ファンダメンタルはトレードに使えるのでしょうか?

ファンダメンタルはトレードに使えるのでしょうか?ドル円相場の過去の実例から分析してみました。ご質問は読者のPeteさんからです。   自分の目指す取引スタイルが、テクニカル、プライスアクションを中心としたものであることは間違いありません。しかしファンダメンタルを完全に無視したトレードというのも怖いのです。例えば重要な指標発表が控えている時などは、今後どんなにトレード技術が身に付いたとしても私は参入することはないしょう。 そこで多少は世の中のことを知っておいた方がトレードにもプラスになるであろうと思い、ブルームバーグやロイターなどをネットで検索しだすともう止まりません。端から端まで目を通してしまうような始末です。 自分はどうしてこんなにも不器用なのかと自己嫌悪に陥ります。 そこで管理人様は、ファンダメンタルに対してどのような考えをお持ちなのか、また普段はどのように情報・材料等を利用・取捨選択してトレードに活かしているのか、この辺りのことを少しでもアドバイスしていただけると大変助かります。(peteさん) たしかに、ファンダメンタルズは長期的な値動きを知る手がかりとして有用ですし、為替相場の値動きに影響をおよぼすことは間違いありません。 1999年に開始して始まったキャリー・トレードを事例として取り上げてみましょう。 当時、日本は金利を0近くまで下げる政策を採りました。米国は4~5%の金利を維持していましたから、日本円を借りて米ドルを買うキャリー・トレードをすれば、金利が手に入る。さらにレバレッジを効かせれば、その金利が何倍にもなる。例えば、レバ10倍で金利50%というようなことが起こってしまう。 よって、相場参加者みんなで【日本円を売って米ドルを買った】結果は? ドル円相場も101円台から135円まで上げることになりました。 その間の月足チャートが下の図です。 ところがその後、チャートは綺麗なヘッド・アンド・ショルダーを付けて戻ってきました。 ファンダメンタルズで始まった為替相場が、典型的なテクニカルのチャート形状を仕上げて終わった形ですね。 見方次第では、「結局テクニカルに収まってしまう」と考えられなくもありません。 なぜこんなことが起こるのでしょうか? 理由はわかりませんが、テクニカル分析のザックリとした考え方は、「相場がそうした動きを繰り返す以上、お付き合いしましょう」というものです。 このファンダメンタルズを外国為替市場で図る決定打が経済指標です。一番影響力があるのは米国の非農業部門雇用統計ですが、それ以外にも各国の大小を含めると、膨大な数の指標があります。 ちなみに、ユーロドルの4時間足チャートに指標発表を載せて表示したのが下の図です。 (FxStreetから) 指標を基にトレードするとなると、その選択だけで大変そうですね。 どうしたら良いのでしょうか?   ■:相場の向きを認める材料に注目 管理人の至った結論は、相場が行きたい方向を「認めてあげる」ファンダメンタルズに注目するというものです。 まずテクニカル分析で先に市場を分析して相場の向かう方向を確認します。そして、ファンダメンタルズが「行きたい方向」を後押しする指標の結果が出た時だけ、その材料に注目します。なぜなら、相場は行きたい方向をバックアップしてくれる材料に反応するからです。 一方で「行きたい」向きと反対材料のファンダメンタルズ指標が出てしまえば、ひねくれた相場(フェイクや行って来いなど)になってしまうので、材料を無視するか、報酬比率を下げる等の対策を行います。 このあたりは、前回の雇用統計発表前にまとめた動画が参考になります。(こちら) 迷った時は、過去の指標(ファンダメンタルズ)とチャートの動きを調べてみるのが一番です。ぜひご自身でも過去の値動きと気になる指標の数値とを比較してみてくださいね。 それでは今週も、Happy Trading!
by TORU_COCOSTA